骨粗鬆症
●骨粗鬆症とは?
  
骨は、絶えず古くなった部分を壊し(骨吸収)、新しい骨に作り替え
  て(骨形成)、強度を保っています。これが骨代謝です。
  骨粗鬆症とは、骨形成と骨吸収のバランスがくずれ、骨の量が減少
  すると同時に、骨の質が低下することにより、骨の強度が低下し、
  もろく、骨折しやすくなった状態のことを言います
。
   
●骨量は年齢とともに減少します
  特に女性は、閉経後、女性ホルモンの減少とともに、急速に
  骨量が減少します。
  50歳以上女性の4人に1人、70歳で半数以上が骨粗鬆症です。
  あなたの骨は大丈夫ですか?
          加齢による骨量変化(女性)
   

●骨粗鬆症の原因
  ◆加齢 
  
◆女性ホルモン不足(閉経後、卵巣機能障害)
  
◆遺伝・体質・やせ
  
◆栄養不足(カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質など)
  
◆生活様式(運動不足、日光不足、喫煙、飲酒、コーヒー)
  
◆胃切除後
  
◆ある種の病気(関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、糖尿病など)
  
◆薬の副作用(ステロイドなど)

●骨粗鬆症の症状
  ◆背中や腰が曲がったり、痛くなる
  
◆ちょっとしたことで骨折する
  
◆背が小さくなる
    

●骨粗鬆症により骨折しやすい部位
  ◆背骨    脊椎圧迫骨折
  
◆手首    橈骨遠位端骨折
  
◆脚の付け根 大腿骨近位部骨折(転子部骨折・頸部骨折)
  
◆腕の付け根 上腕骨近位部骨折
    
 
 脊椎圧迫骨折 橈骨遠位端骨折 大腿骨転子部骨折 大腿骨頸部骨折 上腕骨近位部骨折

  整形外科専門医は、それぞれの骨折に応じて、適切な治療法
  (ギプス、コルセット、手術など)を選択します。

  ■日本における高齢者寝たきり患者の原因疾患は、脳血管疾患に
  次いで、骨粗鬆症・骨折が第2位です。特に大腿骨近位部骨折は
  寝たきりの原因になりやすく注意が必要です。2014年には、年間
  約20万人の大腿骨近位部骨折が発生しており、今後更に増加すると
  考えられています。

  ■脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)
   一般的に骨折は、転倒・転落などのケガにより発生しますが、
   骨粗鬆症の場合、明らかなケガをしていないのに、日常生活で発
   生する、骨粗鬆症性疲労骨折(脆弱性骨折)というものがあります。
   これまでに私が経験した部位は
    背骨(脊椎)、あばら骨(肋骨)、骨盤(恥坐骨、仙骨)、
    脚の付け根(大腿骨頸部)、膝の内側(脛骨内顆)、
    足首の内側(脛骨遠位部)、かかと(踵骨)、前腕(尺骨)などです。
   高齢者で、何もしないのに骨が痛くなった場合、脆弱性骨折の
   可能性もありますので注意が必要です。

●骨粗鬆症の診断
  さまざまな検査を組み合わせて、総合的に診断します。
  
◆問診・診察    
  
◆エックス線検査
   骨梁(カルシウム線維)の状態から、変形や萎縮度を読み取ります。
  
◆骨量測定
   測定法にはDXA法、QCT法、MD法、超音波法などがありますが、
   当院では、最も信頼性の高い、躯幹骨DXAを備え、腰椎・大腿骨
   の骨密度を測定しています。
  
◆血液・尿検査
   骨の状態を調べるため、或いは症状が似ている他の病気と鑑別
   するために行います。
   骨代謝マーカー検査は、どれくらい骨が壊れたり作られているか
   を調べたり、治療薬の選択や治療効果の判定をする上で重要です。
  
◆MRI検査・CT検査
   骨折の有無や程度、背骨の骨折による脊髄の圧迫などの確認、
   或いは他の疾患との鑑別に有意義です。
   先に述べた脆弱性骨折は、MRI検査をして初めて診断できる
   場合もあります。
  
◆骨シンチ検査
   他の疾患、例えば骨の腫瘍や炎症との鑑別に有意義です。

  ■原発性骨粗鬆症の診断基準
   20〜44歳の若年成人正常値と比較し、骨量が70%未満の場合、
   あるいは80%未満でも脆弱性骨折がある場合、骨粗鬆症と診断
   されます。

  ■骨粗鬆症によく似た症状を示す病気に注意
   変形性脊椎症・脊柱管狭窄症・脊椎椎間板ヘルニア・
   脊椎すべり症・脊椎分離症・骨軟化症・多発性骨髄腫・
   転移性脊椎腫瘍(癌の転移)・内分泌疾患・骨Paget病 など

●骨粗鬆症の治療・予防の意義
  ◆骨粗鬆症になっただけでは症状はありません。
   高血圧症や高脂血症により脳卒中や心筋梗塞を合併するのと同じ
   く、骨粗鬆症の合併症である骨折を予防、治療するのが目的です。
  
◆そのためにはどうするか?
   
■転倒しても骨折しにくくする
    ・骨を丈夫にする
      治療薬
      生活習慣 食事・嗜好・運動・日光浴
    ・ヒッププロテクター
      装着することにより転倒時の衝撃を和らげる
      有効であるが、継続性に難あり
   
■転倒しにくくする

●骨粗鬆症の治療法
  ◆薬物療法
         
   A.ビスフォスフォネート製剤
   B.選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
   C.活性型ビタミンD製剤
   D.デノスマブ
   E.テリパラチド
   F.抗スクレロスチン抗体
   G.カルシトニン製剤
   H.ビタミンK製剤
   I.カルシウム製剤
   *A:経口剤(1錠/日、1錠/週、1錠/4週、1錠/月の製剤あり)
      注射剤(4週に1回、月に1回、年に1回の製剤あり)
    B,C,H,I:経口剤
    D,E,F,G:注射剤
   当院では上記薬品を症例に応じて処方し、治療しています。
  
◆生活習慣
   
■食事 
     
    ・カルシウム、ビタミンDの十分な摂取
     カルシウムは一日最低600mg、出来れば800mg以上
      カルシウム豊富な食品
       乳製品  牛乳・スキムミルク・プロセスチーズ
            ・ヨーグルト・アイスクリームなど
       魚介類  干しエビ・小魚など
       大豆製品 豆腐・納豆・生揚げなど
       野菜   小松菜・チンゲン菜・ゴマなど
       海草類  ひじき・わかめなど
      ビタミンD豊富な食品
       きくらげ・しいたけ・サケ・ウナギ・サンマ・
       卵黄など
    ・適量のタンパク質、マグネシウム、ビタミンK摂取
    ・インスタント食品にはリンが含まれていることが多い
     ので、とりすぎに注意
    ・ダイエットに注意
    ・タバコを吸わない
    ・アルコール・コーヒーのとりすぎに注意
   
■運動
   
■日光浴 
                   
●転倒予防
  年をとるにつれ転倒しやすくなる
   筋力の低下・柔軟性の低下・バランス感覚の低下・反射神経の低下
  
◆運動指導
   
■筋力訓練 
   
■ストレッチ 
   
■バランス訓練 
   
■歩行指導
  
◆生活指導
    
   整理整頓
    つまずきやすいものを置かない
    電器コードや座布団、じゅうたんのへりにも要注意
    家具のぐらつきの点検
   手すり・滑り止め・段差対策
    廊下や床、階段などには、できるだけ手すりや滑り止めをつける
    部屋と廊下の間の段差はなるべく少なくする
   足下を明るく
    部屋、廊下、階段などに常夜灯をつける
   浴室・トイレ対策
    浴室内は手すりをつけたり、イスを置いたりする
    和式トイレはできれば補助便座などで洋式にする
   外出時も十分注意を
    はき慣れた靴、すそさばきのよい服装で出かける
    ふらつきやすい人は杖を使用する
    夜間や天候の悪いときは外出をさける
    雪道に注意
     凍結路面の歩き方
      重心を前にし、小さな歩幅で、足の裏全体をつけるように  

 骨粗鬆症の認識を深め、生活習慣を見直し、
 適切な予防・治療を行うことにより骨折の発生を減らし、
 元気な高齢化社会をめざしましょう!

 尚、このページでのイラスト使用は、武田薬品工業株式会社の了解を得ています。
    

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