●ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
通称「ロコモ」
運動器とは、骨、関節、筋肉、腱、靱帯、脊髄、神経など、からだの
運動に関わる組織、器官を言います。
運動器の障害により、移動・歩行能力やバランス能力が低下し、介護が
必要となる危険性の高い状態を、ロコモティブシンドロームと言います。
平成19年、日本整形外科学会が新たに提唱したもので、メタボリックシン
ドローム(内臓脂肪症候群)と対をなすものです。
平成25年からの健康日本21(第2次)における具体的目標として、高齢
者の健康に関して、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を認知
している国民の割合の増加」が設定されました。
◆7つのロコチェック
中高齢者を対象に、日常生活の状況から、ロコモティブシンドロームか
どうか気づかせる為の自己チェックです。
①片足立ちで靴下がはけない
②家のなかで、つまずいたり滑ったりする
③階段を昇るのに手すりが必要である
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤15分くらい続けて歩けない
⑥2kg程度の買い物(1㍑の牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが
困難である
⑦家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が
困難である
①〜⑦の1項目でも当てはまれば「ロコモ」の可能性があります。
◆ロコモ度テスト
年齢を問わず、同年代の平均と比べ、現在の自分の移動能力を評価する
ためのテストです。
移動能力とは、立つ、座る、歩く、走る、登るなど、日常生活に必要な
「身体を移動させる能力」のことです。
1.立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)
2.2ステップテスト(歩幅を測り、歩行能力を調べる)
3.ロコモ25(身体の状態、生活状況を調べる)
◆ロコモティブシンドロームの原因
1)運動器疾患による運動器機能不全
代表的疾患は、骨粗鬆症、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症
などです。
2)加齢による運動器機能不全
筋力低下、バランス能力低下、俊敏性低下などによる
◆ロコモーショントレーニング(ロコトレ)
その1 開眼片脚立ち
その2 スクワット
◆健康寿命とロコモティブシンドローム
一生涯のうち、日常生活で支援や介護を要しない、自立して生活できる
期間のことを健康寿命と言います。
健康寿命を伸ばし、寝たきりや要介護を防ぐには、メタボリックシンド
ローム、認知症と共に、ロコモティブシンドローム対策が極めて重要
です。
私は、日本整形外科学会登録ロコモアドバイスドクターです。
当院では、最新の検査・治療機器を設置し、ロコモ度テスト、ロコトレ
など、ロコモ診療を行っています。
◆ロコモティブシンドロームについて詳しくは
日本整形外科学会ホームページ ロコモチャレンジ!